20周年記念@南座。
2011年12月17日 趣味
昨年に続いて、京都・南座で
『當る辰歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎』夜の部を観て来ました。
今回の『顔見世』は、南座の新装開場20周年記念と銘打たれていて、
緞帳も新しくなっています。
実は私も今年で勤続20年でして(^^;
今回はその節目で“リフレッシュ休暇”を頂戴し、
月例の通院と合わせて『顔見世』観劇に充てることにしました。
3日間連続のみで取れるのですが2日目は土日を挟んで今度の月曜日、
仕事の都合で1日捨てざるを得ず、火曜日は出勤です。
さて、夜の部の演目は以下の5つ。
*楼門五三桐(さんもんごさんのきり)
*実盛物語(さねもりものがたり)
*元禄忠臣蔵・仙石屋敷(せんごくやしき)
*喜撰(きせん)
*らくだ
その中から『楼門五三桐』と『らくだ』を少しだけご紹介。
『楼門~』は石川五右衛門が南禅寺の三門の上から満開の桜を眺めてのセリフ
「絶景かな、絶景かな~」が有名な演目。
五右衛門はそこで父の仇(かたき)が真柴久吉(豊臣秀吉のこと)であることを知りますが、
その久吉が三門の下に巡礼姿で現れ、上と下での対面という短い内容です。
錦絵を見るかのような豪華絢爛なセットがそのまませり上がり、
久吉が下から現れるという演出。
20年前、平成の大改修を終えた南座での『顔見世』では、
先代の片岡仁左衛門が五右衛門を演じています(私も観に行きました)。
今回はその長男、我當が五右衛門で、三男の秀太郎が久吉。
これぞ歌舞伎の様式美というような情景でした。
『らくだ』は落語がベースになったお芝居。
上方では六代目・笑福亭松鶴のそれがよく知られているところですが、
これが東京に渡り、お芝居のほうでは江戸風味に味付けされたものがよく出されます。
しかし今回の『らくだ』は設定からセリフからすべてが上方風で、
およそ46年ぶりの上演だそうです。
ここに出て来る“らくだ”とは、
フグの毒に当たって死んだならず者の男のニックネーム。
その友人・熊五郎が“らくだ”の通夜をしてやろうということで、
通りがかった紙屑屋の久六を巻き込んでの大騒動に発展します。
“らくだ”の長屋のケチな家主宅に“らくだ”の死骸を持って行って脅し、
まんまと酒をせしめるなどハチャメチャな内容。
初めのほうは威圧的な態度の熊五郎に気弱そうな久六という立場だったのが、
酒が進むにつれてそれが逆転して幕となります。
熊五郎は片岡愛之助、久六は中村翫雀。
どちらも上方の役者でセリフもごくごく自然なもの。
愛之助のドスの利かせかたがかなり良かったです。
この芝居で酒を運んできた丁稚を演じるのは翫雀の長男・壱太郎(かずたろう)。
熊五郎に「残りの三升はどないしたんじゃ、はよ持って来んかいっ!」と言われ、
ブツクサ言いながら戻りつつ「三升、さんじょう・・・」とつぶやいていると、
ハッと向き直って座り「未だ参上(さんじょう)つかまつりませぬ」。
『仮名手本忠臣蔵・四段目』の大星力弥、つまり大石主税のセリフですが、
前の『仙石屋敷』で大石主税を演じていた壱太郎がそれを言うわけで(笑)
翫雀の久六が「アホなんか賢いんかわからん、親の顔が見たいわ」と言って
さらに笑いと拍手が起こりました。
歌舞伎というよりは松竹新喜劇に近いですね(笑)
『実盛物語』は尾上菊五郎の凛々しさと優しさ、
『仙石屋敷』は片岡仁左衛門と坂東三津五郎の息の良さ、
『喜撰』は中村時蔵の艶やかさと、長唄・清元の見事なコラボレーションが
それぞれ印象に残りました。
16時15分開演の21時45分終演で、都合5時間30分。
今回は日付が変わらないうちに帰宅することができました。
楽しむだけ楽しんでも早く帰れるに越したことはありません(^^;
『當る辰歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎』夜の部を観て来ました。
今回の『顔見世』は、南座の新装開場20周年記念と銘打たれていて、
緞帳も新しくなっています。
実は私も今年で勤続20年でして(^^;
今回はその節目で“リフレッシュ休暇”を頂戴し、
月例の通院と合わせて『顔見世』観劇に充てることにしました。
3日間連続のみで取れるのですが2日目は土日を挟んで今度の月曜日、
仕事の都合で1日捨てざるを得ず、火曜日は出勤です。
さて、夜の部の演目は以下の5つ。
*楼門五三桐(さんもんごさんのきり)
*実盛物語(さねもりものがたり)
*元禄忠臣蔵・仙石屋敷(せんごくやしき)
*喜撰(きせん)
*らくだ
その中から『楼門五三桐』と『らくだ』を少しだけご紹介。
『楼門~』は石川五右衛門が南禅寺の三門の上から満開の桜を眺めてのセリフ
「絶景かな、絶景かな~」が有名な演目。
五右衛門はそこで父の仇(かたき)が真柴久吉(豊臣秀吉のこと)であることを知りますが、
その久吉が三門の下に巡礼姿で現れ、上と下での対面という短い内容です。
錦絵を見るかのような豪華絢爛なセットがそのまませり上がり、
久吉が下から現れるという演出。
20年前、平成の大改修を終えた南座での『顔見世』では、
先代の片岡仁左衛門が五右衛門を演じています(私も観に行きました)。
今回はその長男、我當が五右衛門で、三男の秀太郎が久吉。
これぞ歌舞伎の様式美というような情景でした。
『らくだ』は落語がベースになったお芝居。
上方では六代目・笑福亭松鶴のそれがよく知られているところですが、
これが東京に渡り、お芝居のほうでは江戸風味に味付けされたものがよく出されます。
しかし今回の『らくだ』は設定からセリフからすべてが上方風で、
およそ46年ぶりの上演だそうです。
ここに出て来る“らくだ”とは、
フグの毒に当たって死んだならず者の男のニックネーム。
その友人・熊五郎が“らくだ”の通夜をしてやろうということで、
通りがかった紙屑屋の久六を巻き込んでの大騒動に発展します。
“らくだ”の長屋のケチな家主宅に“らくだ”の死骸を持って行って脅し、
まんまと酒をせしめるなどハチャメチャな内容。
初めのほうは威圧的な態度の熊五郎に気弱そうな久六という立場だったのが、
酒が進むにつれてそれが逆転して幕となります。
熊五郎は片岡愛之助、久六は中村翫雀。
どちらも上方の役者でセリフもごくごく自然なもの。
愛之助のドスの利かせかたがかなり良かったです。
この芝居で酒を運んできた丁稚を演じるのは翫雀の長男・壱太郎(かずたろう)。
熊五郎に「残りの三升はどないしたんじゃ、はよ持って来んかいっ!」と言われ、
ブツクサ言いながら戻りつつ「三升、さんじょう・・・」とつぶやいていると、
ハッと向き直って座り「未だ参上(さんじょう)つかまつりませぬ」。
『仮名手本忠臣蔵・四段目』の大星力弥、つまり大石主税のセリフですが、
前の『仙石屋敷』で大石主税を演じていた壱太郎がそれを言うわけで(笑)
翫雀の久六が「アホなんか賢いんかわからん、親の顔が見たいわ」と言って
さらに笑いと拍手が起こりました。
歌舞伎というよりは松竹新喜劇に近いですね(笑)
『実盛物語』は尾上菊五郎の凛々しさと優しさ、
『仙石屋敷』は片岡仁左衛門と坂東三津五郎の息の良さ、
『喜撰』は中村時蔵の艶やかさと、長唄・清元の見事なコラボレーションが
それぞれ印象に残りました。
16時15分開演の21時45分終演で、都合5時間30分。
今回は日付が変わらないうちに帰宅することができました。
楽しむだけ楽しんでも早く帰れるに越したことはありません(^^;
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