艱難汝を玉にする@西京極。
◇第78回都市対抗野球大会 近畿地区代表決定戦 第3日◇

@西京極野球場

NTT西日本 8−2 新日本製鐵広畑

広 畑 020 000 000=2 H9 E1
NTT西 000 502 10X=8 H8 E2


※NTT西日本(大阪市)は2年ぶり19回目の出場

広畑:池田、管家−石原、筧  N西:笠木−北?


近畿地区最後の代表決定戦が雨で今日に延びてくれたおかげで、
観に行くことができました。

N西は笠木伸二、広畑は池田強志とともに技巧派左腕が先発。

2回表、広畑は先頭の中川俊典が失策で出塁。
二塁盗塁を成功させると、大久保直紀の中前安打で先制点を挙げた。
1アウト後、石原圭の投手と三塁手の間への難しい当たりが内野安打に。
瀬端秀文の三塁へのバントも内野安打になって満塁。
打順はトップに返り、大嶋将也がレフトへのファールフライ。
レフトの若林建志がこれを捕ったために犠飛となり2点目が入る。
N西の守備陣が掻き回されているような感じではあったが、
笠木はどうにかこの回を2点で食い止めた。

4回裏、N西にやっと安打らしい当たりが出る。
この回先頭の黒塚浩行がレフトへの二塁打。
池田はこれに動揺したのかどうかはわからないが、
西田朋生、河本泰浩に連続して死球を与えてしまい、塁がすべて埋まった。
ここで若林が先ほどのお返しとばかりに中犠飛で1点を返し、
一色和也の左前安打で再び満塁に。
ここで北?寛明がライトへの二塁打で2人が還り、ついに逆転。
北?は2回表の嫌なムードを一度に跳ね返したようなガッツポーズを見せた。
2アウト後、今度は宮崎昌樹が2点適時打でこの回5点目。
試合の流れがあっという間にN西へ傾いた。

N西はさらに6回裏、宮崎の中越適時三塁打などで2点を追加し、
池田をノックアウト。
7回裏はルーキー森大樹の適時打でリードを6点に広げた。

笠木は3回からも毎回走者を出しながら緩急を巧く使って要所を締め、
気が付けば9回表のマウンドに立っていた。
1アウトを取ったあと失策の走者を出したが、最後は併殺でゲームセット。
N西が2年ぶりの都市対抗出場を勝ち取った。


N西はリーグ戦から通算すると、予選を10試合9試合戦ったことになります。
(7月6日訂正しましたm(_ _)m)
大阪・和歌山地区でこれだけ苦労して代表権を得たというのは、
これまでの私の記憶にはありません。
位置付けとしては“阪和第四代表”ですから補強は望めませんが、
「艱難(かんなん)汝を玉にする」というたとえもあることですし、
予選の苦労が本大会できっと報われると信じたいもの。
楽しみにしています。
3年連続3回目@松下。
◇第32回全日本クラブ選手権大会 西近畿(大阪・和歌山・兵庫)代表決定戦◇

@松下球場

NOMO BASEBALL CLUB 10−1 全播磨硬式野球団

全播磨 000 010 000=1
NOMO 301 311 10X=10


※NOMO BASEBALL CLUBは3年連続3回目の出場

播磨:上村、山本純、泉、笹岡−畑  NBC:宇高−有澤

(写真はNBC・宇高投手)


4回裏途中に到着。
この時点で試合の大勢はほぼ決まっていたようなもの。
全播磨唯一の得点だった5回表の1点は、
岡田浩樹のライトへの適時二塁打でした。

NBCはその裏に北村直人の適時三塁打で再び7点差とし、
6回裏には平松陽介の適時二塁打、7回裏は押し出し四球で2ケタ得点。
宇高直志が最後まで投げきり、3年連続のクラブ選手権出場を決めました。


それにしても、場内放送も打順のランプもない松下球場に途中入りして、
メモを取りながら観るのは何かと不便で仕方がありません。
昨年の同代表決定戦の日記(6月3日)にも書きましたが、
もう少し代表決定戦らしい会場が用意できないものでしょうかねぇ。
高校野球兵庫大会開幕戦@尼崎。
◇第89回全国高等学校野球選手権兵庫大会 第1日(1回戦)◇

@尼崎市記念公園野球場

小野工業高校 7−0 須磨東高校 (8回コールド)

須磨東 000 000 00=0   H8 E1
小野工 000 600 01=7x H12 E0


須磨東:内藤、太田、石原、政井−大山   小野工:山田、澤中−後藤


夏の全国高校野球は昨日は大阪大会、そして今日は兵庫大会が開幕。
尼崎での開幕戦を4回表途中から。
今日は三塁側(須磨東高校)の屋根の下で観ていました。

4回裏、小野工業が稲継昭太の左越2点適時二塁打など4本の適時打と
犠飛で一挙6点を奪い、終わってみれば8回コールドゲーム。

須磨東の三番手・石原幸洋は、結構制球の良いサイドスローでした。
エースナンバーを付けていましたが、
7回表の1イニングだけしか観られなかったのが残念です。

小野工業のエース・澤中薫も二番手で登板。
上背があって腕も長く、まだ伸びしろがありそうな投手だと思います。

マンニィ。

2007年7月12日 日常
大型で非常に強い台風4号(マンニィ)が近づいています。

何やら15日あたりに近畿地方へ最も近づくとか何とか。
母校の試合はおそらく延期になるでしょうが、
それよりも今週末はウチの町会の夏祭なんですが・・・
しかも日曜日のお練りは雨天決行らしいんですが・・・

ヒジョーに心配です。

雨中。

2007年7月14日 日常
午前6時から協議の結果、
今年の町会の夏祭は台風接近のため中止になりました。
町会始まって以来かも。

…部屋の片付けでもします。
晴れか嵐か@皇子山(追記済)。
◇第89回全国高等学校野球選手権 滋賀大会 第1日(1回戦)◇

@皇子山球場

《第一試合》 水口高校 2−0 瀬田工業高校

水 口 100 000 001=2 H9 E0
瀬田工 000 000 000=0 H7 E0


水口:滝−平井   瀬田工:前島−佐瀬

《第二試合》 高島高校 3−2 大津商業高校

高 島 000 000 102=3 H4 E4
大津商 101 000 000=2 H5 E3


高島:川上−小谷   大津商:藤田、塩見−藤村



前日は、まだ外が明るいうちに雨戸という雨戸を全部閉め切って
“マンニィ”こと台風4号の襲来に備えていましたが、
眠っている間に地元をかすめるように通り過ぎたようで。
朝は小雨がぱらついていたものの、外に出ても問題ない様子。

各地の高校野球大会の状況をネットで確認していたところ、
滋賀大会の第一試合が14時30分開始というのを見つけたので、
お昼過ぎに皇子山球場へ向けて出発。
いつも混雑する新快速を避け、近鉄で京都へ出て湖西線に乗り換え。
湖西線は強風のため堅田〜近江今津間の運転を見合わせていて、
乗った電車も堅田で打ち切り。
西大津まで行くぶんには問題はなかったですが。

試合開始予定時刻ちょうどに皇子山到着。
開会式直後ということで、スタンドにはまだ多くの人が残っていました。
予定よりも約5分遅れで開始。


*第一試合*

1回表、水口は2番小林がセーフティーバントで出塁。
二盗を決めた後に加藤の中前適時打で効率よく1点を先取。

瀬田工業は4回裏1アウトから3本続けて安打が出たが、
水口の先発・滝大乙に後続を断たれ得点ならず。
滝はやや粗削りなフォームだが制球は良く、球の出所が見にくい感じ。
対して瀬田工業の先発・前島直人は常にセットポジションからの投球。
左のオーバースローで球にキレがあるように見える。
ともに打てそうで打てない、崩れそうで崩れない投手戦になって来た。

水口は7回表に青木康行の二塁打で好機を作るも、
スクイズ失敗で追加点が奪えないまま、最少得点差で迎えた9回表。
2アウト一、二塁で平尾拓寛の打球が三塁手のグラブを弾き
強襲安打となる間に二塁走者の平井良次が2点目の本塁へ。
滝はその裏を3人で締め、無四球完封勝利で初戦を突破した。

上空の強風で飛球の行方に野手が戸惑ったり交錯する場面も。
それでも両校無失策は立派でした。
三塁側・瀬田工業応援席の最上段で旗を持つ野球部員が
ちょっとしんどそうでしたが(笑)


*第二試合*

大津商業が1回裏1アウト満塁から中村遼のニゴロの間に先制点。
初回から積極的に盗塁を試みるなど、
高島先発の川上達也を揺さぶってきた。
3回裏には1アウトから失策と牽制悪送球で三塁まで走者を進めると、
平野裕貴がセーフティースクイズを成功させて追加点を挙げる。

高島・川上はまるで真上から投げてくるような右投手で、
フォームからすると力投型、球威も充分。
一方、大津商業・藤田涼は右のサイドスロー。
右打者のアウトコースぎりぎりを攻める巧い投球で、
4回まで無安打に抑えていた。
フォームがかつて阪急などに居た伊藤敦規を思わせる。

3回裏終了後から点灯試合に。

7回表、高島は1アウト一、二塁で澤井勇人の一ゴロが失策を誘い、
ようやく1点を返す。
なおも一、三塁の場面だったが、川上がバントの構えを空振りし、
捕手が後逸していたのを三塁走者がファールと勘違い。
空振りと気付いて本塁突入を試みたがタッチアウトで同点にはならず。
しかしここから高島が勢いを出してくる。

藤田に疲れが見えだした9回表、
高島はこの回先頭の山本翔が内野安打で出塁。
四球と犠打で1アウト二、三塁とした。
ここで代打に出た小川裕太郎が巧く右前に落とす適時打でまず同点。
続く川上が7回のプレーを挽回するかのようにスクイズを成功させ、
土壇場で高島が試合をひっくり返した。

川上は4回以降は粘りの投球で追加点を許さず、
9回裏も走者を2人出しながら盗塁失敗などで難を逃れ、
最後まで辛抱強く投げきった。

私が滋賀大会を観くと、
あまり吹奏付きの応援にはお目にかかれないのですが、
今日は大津商業だけですが20人ぐらいで演奏しに来ていました。
それ故に第一試合だけで帰るつもりがついつい長居しましたが(笑)
最初のうちは野球部控えとの息がなかなか合わなかったものの、
徐々にサマになってくる様子がけっこう楽しめたものです。
地方大会ならではの光景とも言えましょう(ただし、大阪を除く)。


古豪・伝統校が揃った滋賀大会の初日は、2試合とも好ゲーム。
速いスピードで流れて行く曇の合間から見える青空がやけに青かったり、
時折細かい雨粒が風に煽られて屋根の下まで吹き込んできたりと、
実に慌しい空模様でした。
近江八景のひとつに“粟津の晴嵐(せいらん)”というのがあります。
(戦前の都市対抗に出ていた“大津晴嵐会”はここから取ったものかと)
本来の“晴嵐”とは意味が違うのですが、
字面が今日の天候を表現するのに丁度良いかな、と思い、
これにちなんで今回のタイトルにした次第です。
雨のインターミッション@橿原。
◇第89回全国高等学校野球選手権 奈良大会 第1日(1回戦)◇

@橿原公苑野球場



《第一試合》 登美ヶ丘高校 12−2 奈良工業高等専門学校
                (6回コールド)

《第二試合》 奈良情報商業高校 3−2 御所工業高校 (延長10回)

奈情商 100 001 000 1=3 H12 E1
御所工 000 020 000 0=2  H6 E0


奈情商:細澤、水澤、西窪−五網   御所工:吉田博−山田


奈良大会は今日が開幕。
開会式後の混雑も無さそうな第二試合を目当てに橿原公苑まで。
到着直後に第一試合が6回コールドで終了しました。

*第二試合*

奈良情報商業(奈情商)は、桜井商業高校と志貴高校の統合によって
できた県立高校。
桜井商業のOBと言えば駒田徳広(G→YB)。
在学当時に満塁でも敬遠されたという伝説が語り継がれるなど、
今なお「駒田の桜商(サクショウ)」と地元ファンに称される存在。
ユニフォームの配色がかつての桜井商業を彷彿とさせる。
また、御所工業は春夏合わせて11回の甲子園出場を誇る古豪。
1回戦から実力校同士の対戦となった。

奈情商は1回表2アウトから徳田将大が安打で出塁。
次の辻本佳祐も右前のテキサス安打で続けば、
五網亮介の当たりが投手を強襲する安打と、三連打で先制点を挙げた。

御所工先発の吉田博文は2回から立ち直りを見せ、
右サイドスローからの速いテンポの投球に守備陣も良いリズムを刻み出す。

奈情商の先発・細澤拓己はスローボールを駆使して打ち気をそらすなど
緩急をつけた投球で4回まで御所工を無安打に抑えていた。

5回表、奈情商は1アウトから舟越義也が左中間への二塁打。
2アウト後細澤に打席が回ってきたところで代打が送られるも、
追加点には結びつかなかった。
5回裏からは2年生の水澤豊が登板したが、
この回先頭の北山敬一に安打を許す。
御所工にとっての初安打をきっかけに2アウト一、二塁とすると、
酒井幸一朗の左越二塁打で二者が生還、中盤で御所工が逆転。

奈情商も負けじと6回表1アウト二塁から徳田が右越適時三塁打で同点。
続く辻本は左飛で三塁から徳田がタッチアップ。
しかしレフトからの中継プレーが見事に成功して再逆転を阻止した。

その後も吉田と7回から登板した奈情商三番手の西窪優雅が、
毎回走者を置きながら堅い守りで度々のピンチをしのぎ続け、
試合は9回を終わっても決着が付かず。

延長10回表、奈情商は安打で出た中川拓也が犠打と飛球で三塁へ。
打席に吉本広平が立ったところで雨が激しく降りだしたため、試合を中断。
雷も鳴る中、グラウンドにどんどん水が溜まって行く。

屋根の下で見守ることおよそ1時間30分、
控え選手と大会委員総出による懸命のグラウンド整備の甲斐あって、
晴れ間も見えてきたところで試合再開。
吉本は吉田の1球目を中前に落とし、奈情商があっけなく均衡を破る。
その裏、御所工も失策と安打で粘りを見せたがあと一本が出ず、
長い中断を挟んでの熱戦にピリオドが打たれた。


奈情商はブラスバンドの演奏に合わせて控えの野球部員が踊るなど、
パッと見では奈良大会でよく見られる光景の応援ながら、
ファンファーレが一種独特なメロディー。
奈良にはファンファーレにこだわりを持つ高校が多いような気がします。
私の席からよく見えなかったのですが、御所工は太鼓ひとつで男声大合唱。
ある意味好対照な応援席でした。
14年ぶりの勝利@南港。
◇第89回全国高等学校野球選手権 大阪大会 1回戦◇

@南港中央球場


《第一試合》 佐野高校 4−3 大阪体育大学浪商高校

佐 野 100 003 000=4
浪 商 000 011 010=3

《第二試合》 桃山学院高校 3−0 高津高校

桃 山 010 100 001=3 H7
高 津 000 000 000=0 H6


桃山:杤原−竹本   高津:今村−本庄



お目当てはあくまでも14時10分開始予定の第二試合。
それに間に合うように行ったつもりが、第一試合の6回裏途中に到着。
名前は知らなくてもなぜか顔見知りの先輩といきなり鉢合わせし、
最近の母校の状況についてあれこれと話したりしていたので
第一試合はほとんど観てません(苦笑)
ただ、浪商は9回裏2アウト走者無しから満塁にするる粘りを見せたものの、
あと一本が出ませんでした。
エースを温存したのが最後まで響いた、というのがその先輩の評。


*第二試合*

桃山は2回表、2アウトから真鍋卓が四球を選び、
村田雄基の内野ゴロが失策となる間に三塁へ進むと、
三塁への送球がさらに逸れて無安打で労せず1点を先取。
4回表は2アウト三塁で真鍋のレフト線適時二塁打によって追加点を挙げる。

桃山の先発・杤原(とちはら)明は昨年もエースナンバーを付け、
0−1で初戦敗退ながら好投を見せていた(2006年7月23日の日記参照)。
気のせいかも知れないが、昨年よりも腕の位置が上がったように見える。
2回裏は自らの野選でピンチを招くも、落ち着いて後続を断った。

私が見る限り猛攻が期待できるような攻撃力ではないので、
いかに相手に点を与えないかが肝心。
走者を出すごとに観ているこちらはヒヤヒヤしていたものだが、
バックの守備にも助けられ、3回から7回までは二塁を踏ませなかった。

8回裏の高津の攻撃、2アウトの後でこの試合初めての連続安打を許し、
打席には4番の古川正晃。
古川が放った当たりは中前安打かに思われたが、
中堅手の山本大介が見事にダイビングキャッチを成功。
あわや同点のピンチを切り抜け、グラウンドとスタンドがともに沸き返る。

「ピンチのあとにはチャンスあり」の言葉どおり、
その直後の9回表には1アウト二、三塁の得点機を迎えて
井上元の内野安打で3点目をもぎ取った。
9回裏、最後の打者を二ゴロに打ち取って杤原が完封。
桃山にとっては1993年以来14年ぶりの夏の初戦突破となった。


14年前は3勝して4回戦まで行って、
住之江で牧野光将(近大→大阪ガス)の上宮に負けました。
それから夏に関してはずーっと負け続けていたわけで。
ただ、嬉しいのひと言に尽きます。
2回戦も楽な相手ではありませんが、一日でも長く野球ができますように。
チャンスの前髪@紀三井寺(追記済)。
◇第89回全国高等学校野球選手権 和歌山大会 2回戦◇

@県営紀三井寺球場

《第一試合》 箕島高校 2−1 神島高校

《第二試合》 和歌山工業高等専門学校 5−3 新宮高校

《第三試合》 和歌山工業高校 3−2 粉河高校

粉   河 000 000 020=2 H10 E2
和歌山工 000 002 001=3x H8 E2


粉河:川口、平山−禮田   和工:出村、垣内−植田

(写真は和工サヨナラ勝ちの瞬間)


月例の診察を終えた後、
新大阪をお昼過ぎに出発する特急“くろしお”に乗って、
高校野球和歌山大会を観に行くことにしました。
紀三井寺球場へは海南からバスで行きましたが、
途中で郵便局へ寄るなどして球場入りは第三試合の開始前でした。


和工の先発・出村成哉はスマートな右のオーバースロー。
上背もあり、角度を生かした球で1回表簡単に2アウトを取ったものの
そのあと続けて四球を与え、やや不安な立ち上がり。
2回表も失策と安打で走者を出したが、この回は粉河の早打ちに助けられる。

粉河先発の2年生・川口喜生も同じく長身の右投手。
思わずバットが出るような球を巧く使って打たせて取るタイプのようで、
和工の打者はほとんど早いカウントから打って出ていた。

5回表、粉河は2アウトから畠中俊弥が左前安打。
禮田大貴も安打で続いたかと思えば、生田翔吾もライト前へ安打を放つ。
畠中が本塁突入を試みたが、ライト時本敬佑からの返球が良くアウトに。

和工の6回裏の攻撃は、この回先頭の大江宏典が中前安打で出塁。
和工にとってノーアウトで走者が出たのはこれが初めて。
堀田和博の犠打と瀬戸優規の安打で一、三塁とすると、
3番の溝端一哉が二塁横を破る適時打で均衡を破る。
さらに時本が内野安打で好機をつなげば、
山田智博の左飛で瀬戸が還り2点目の本塁を踏む。
効果的な攻めでこの試合初めてと言って良い好機をしっかりモノにした。

7回表も2アウト満塁の場面を生かすことができず、
消化不良気味の攻撃が続く粉河だったが、
8回表に先頭の徳岡健吾が安打できっかけを作る。
恩地静己が死球で出塁、林真司の犠打で1アウトニ、三塁に。
ここで和工は1年生のアンダースロー・垣内秀斗へスイッチ。
粉河はその立ち上がりを攻めるかのように、
山下直樹、そして代打の中谷滉が連続適時打で同点に追いついた。
続く畠中は投ゴロ、垣内は三塁へ送ってまずアウトにしたが、
併殺を焦った三塁手が一塁へ悪送球で好機はまだ続く。
しかし禮田のあわや内野安打の当たりを遊撃手溝端が巧く処理し、
逆転までは許さず。

粉河は8回からエースナンバーを着ける平山郁洋が登板。
9回裏1アウト、和工は小西竜太郎の当たりが三塁強襲の二塁打となる。
植田一史を歩かせて一塁を埋めて併殺の態勢を取ったが、
垣内のバント処理を平山が誤り1アウト満塁に。
そして代打・恩地諒が二塁左を破る適時打を放って和工がサヨナラ勝ち。


この試合のスコアを眺めていて、
“チャンスの前髪”というフレーズを思い出しました。
“チャンス”という名前の神様だったか何だったか忘れましたが、
髪の毛が前にしか生えていません。
通り過ぎて行くその神様を捕まるには、前髪を掴まなければいけない。
気付いたときにはもう遅い、ということです。
粉河は都合7度にわたって得点圏に走者を置きましたが、
和工にとっては好機らしい好機は6回と9回の2度だけ。
その2度とも和工はしっかり“チャンスの前髪”を掴んだことになります。
選手個々の力だけではない何かが、この試合を左右したのではと。
しかもそれは運という言葉だけで片付けられるようなものでもないのだと。
そんな風に思えた、紀三井寺のサヨナラ劇でした。

で、チャンスという言葉が出たついでに。
和工の応援では走者が進むと『チャンス法政』が演奏されます。
テンポは少々スローですが、リーダー(野球部控え?)の動きが
本家の法政大学を彷彿とさせるもの。
曲の切れ目でリーダーが入れ替わるところもそれらしかったです。
それ以外は6曲をランダムに。オリジナル曲もありました。
粉河は選手別のテーマを用意。白と緑のポンポンが鮮やかでした。
無安打有得点試合@西京極。
◇第89回全国高等学校野球選手権 京都大会 3回戦◇


@西京極野球場


《第一試合》 洛北高校 8−3 洛水高校

《第二試合》 南丹高校 3−2 東山高校

《第三試合》 京都外大西高校 9−1 同志社国際高校 (7回コールド)

京外西 000 403 2=9 H13 E2
同国際 000 010 0=1  H0 E3


京外西:辻、安達、白井−田中 同国際:林−國中


西京極で第三試合だけ観てきました。
スコアボードの写真も載せましたが、同志社国際はノーヒット。
でも1点が入っているので、言うなれば“無安打有得点試合”になります。

5回裏から京都外大西は左腕の安達優がマウンドに。
同志社国際は2アウトから植田一成が四球を選んで出塁。
続く禰占直樹は三振したものの、
球が転がっていたので振り逃げ出塁を狙ったところ捕手が一塁へ悪送球、
この間に植田は一塁から三塁へ到達。
次の下江隆馬の打席で安達が暴投、同志社国際に1点が入りましたが
これが唯一の得点でした。

ノーヒットで点が入ることはたまにあったりしますが、
こういうケースは珍しいような気がします。

京都外大西は4回表に5本の長短打で4点を奪い、
6回表には相手のミスに乗じてリードを広げるなど、
地力の差を見せ付けるような展開でベスト16進出を決めました。
エース・本田拓人の投球を観たかったのですが、
今日はブルペンのみで出番が無かったのは残念でした。
3回戦へ!@南港。
◇第89回全国高等学校野球選手権 大阪大会 2回戦◇

@南港中央球場


《第一試合》 佐野高校 7−1 和泉高校

《第二試合》 桃山学院高校 3−1 泉陽高校

泉 陽 000 000 001=1 H7
桃 山 002 000 01X=3 H9


泉陽:和平、宅−廣岡   桃山:杤原−竹本


《第三試合》 泉南高校 3−1 住吉商業高校


(写真は桃山学院・杤原投手)


第一〜第二試合のインターバルに到着。
シートノック時の校歌には間に合いました。

*第二試合*

桃山の先発は今日もエースの杤原明。
1回、2回と安打を打たれながら要所を締めたかと思えば、
3回表は三者連続三振を奪う変貌自在ぶりを序盤から発揮していた。

3回裏、桃山は1アウト二塁から主将・川村幸輔の左中間適時二塁打で
先制点を奪うと、4番・山本大介の右前適時打で2点目を加え、
力投する杤原を援護する。

泉陽は5回表に2本の安打に野選も加わってノーアウト満塁としたが、
スクイズを外されるなどで得点には結びつかず。
桃山も走者を出しながらなかなか追加点が奪えない状態で、
7回裏も2アウト満塁の場面であと1本が出なかった。
しかし8回裏、1アウト一塁で西浦孝洋が左越二塁打を放ち、
喉から手が出るほど欲しかった追加点がやっと入って最終回へ。

9回表は1アウトから安打+失策と暴投で走者を三塁に置き、
宅康平の一塁ゴロの間に1点を失ったが、
これで走者が無くなり気が楽になったか、
最後はこの試合9個目の三振を奪ってゲームセット。
桃山が14年ぶり初戦突破の勢いで3回戦へと駒を進めた。


その3回戦は明日の第二試合。
連戦になって体力的に厳しいかも知れませんが、
頑張って欲しいものです。
明日は試合を見届けることができないのが残念です。
あと一歩!@舞洲。
◇第89回全国高等学校野球選手権 大阪大会 4回戦◇

@舞洲ベースボールスタジアム

《第一試合》 興國高校 9−4 桃山学院高校 (延長11回)

興 国 002 011 000 05=9 H8 E4
桃 山 000 000 040 00=4 H6 E1


興国:藤井、笹次−山崎   桃山:杤原−竹本

(校名の正式表記は「興國」ですが、スコアボードには「興国」とありました)


7月23日の3回戦(vs佐野高校)も5−2で勝ち、
前回初戦突破した14年前と同じく4回戦へ駒を進めた桃山。
39年ぶりのベスト8も夢ではない、と思えるところまで来たが、
4回戦の相手である興國はその39年前に敗れた相手でもあり。
桃山にとっては因縁の対決になる。

3回表、興國は1アウト二、三塁で宮田雄介が左前適時打。
二塁走者も還って2点を先制した。
その裏の桃山は1アウトから失策で出た走者を二塁に置いて、
真鍋卓が左中間を破る当たりを放つ。
二塁走者だった井上元は三塁で野手と接触して一瞬止まりかけ、
本塁へと突っ込んだが送球が返りクロスプレーでタッチアウト。
走塁妨害のアピールを行ったものの、審判協議の結果認められず。

興國は5回表に江口潤の犠飛、6回表には塩田悠人の適時打で
徐々に差を広げる。
この2イニングだけで盗塁を4つ成功させるなどしてかき回し、
得点以上のプレッシャーを与えていた。
甲子園からは遠ざかっているとは言え、
そこはさすがに全国優勝経験を持つ古豪の力である。
桃山のエース・杤原明の辛抱のマウンドが続く。

桃山は5回裏、2失策で走者を三塁まで進めたがあと一本が出ず、
安定した投球を見せる興國先発の藤井聖太をなかなか打ち崩せない。
せめて1点でも、という願いを持って迎えた8回裏、
先頭の川村幸輔が安打で出塁。
2つの内野ゴロで三塁まで進むと、西浦孝洋が死球、
竹本俊輝も四球を選び2アウトながら満塁の好機を得る。
この場面で杤原はライトの頭上を越す走者一掃の三塁打、
1点差に迫り桃山応援席のウチワを叩く音がより一層ボルテージを増す。
興國はここで藤井を諦め、笹次瞬をマウンドへ送ったが、
続く村田雄基への1球目が暴投となって思わぬ形で追いついた。

そして試合は延長戦へ。
10回裏1アウト一、二塁、竹本の打席で笹次が暴投しそれぞれ進塁。
竹本は敬遠で塁が全て埋まり桃山は絶好のサヨナラの場面。
前回三塁打の杤原が打席に立ちこれ以上ない盛り上がりを見せたが
三振に終わり、村田も右飛で三者残塁。
これで気落ちしたわけでもないだろうが、
11回表は1アウトから内野安打1本を含む3連打で均衡を破られると、
失策と満塁での笹次の走者一掃適時二塁打で5点を奪われ、勝負あり。
その裏2つの四球を選び必死に食い下がるも、それ以上差を詰められず
3時間を越える熱戦の幕が下りた。


4回目の勝利まであと一歩まで迫りながら敢え無く敗れはしましたが、
ズルズルと行きそうな劣勢を一度に取り戻す粘りを見せるなど、
過去10年以上にわたる不振がまるでウソのような大健闘。
昨年夏の試合ぶりから見て今年こそは、と少しだけ期待していたのが、
それをはるかに上回る快進撃を見せてくれました。
今年はいつも以上に長かった母校の夏。
楽しませていただきました。

願わくば、杤原投手にはぜひ大学でも活躍して欲しいところです。
一瞬のスキ@西京極(追記済)。
◇第89回全国高等学校野球選手権 京都大会 決勝戦◇

@西京極野球場


京都外大西高校 2−1 京都すばる高校

京外西 001 000 010=2 H5 E1
すばる 000 001 000=1 H4 E1


※京都外大西高校は2年ぶり8回目の出場

京外西:白井、辻、本田−田中   すばる:中村−西村


京都外大西は背番号10・白井浩樹、京都すばるはエース・中村憲の
両サウスポーの先発で始まった京都大会決勝戦。
先制したのは京都外大西。
3回表、1アウトから都藤潤一が左中間への二塁打で出塁。
2アウト後、中川拓の一塁ゴロが失策を誘う間に三塁へと進み、
4番の辻孟彦が二遊間を破る適時打で得点した。

1回、2回と三者凡退に抑えられていた京都すばるは、
3回裏に中野喬介が内野安打で出塁したものの盗塁失敗で進塁できず、
5回裏も安打で出た中村が三塁まで進んだが得点には至らなかった。
中村は4回からは巧い投球で京都外大西に追加点を許さないまま、
僅少差での試合展開に。

京都すばるは6回裏、この回先頭の中野が失策で出塁。
2つの犠打で2アウト三塁とすると、木村朋貴が左前へ同点の適時打。
ほぼ満員にふくれ上がった西京極がよりヒートアップする。
7回裏からは白井に替わって辻が登板、
先頭打者を歩かせるも併殺で京都すばるの攻撃の芽を摘む。

4回以降攻撃の糸口がつかめなかった京都外大西だが、
8回表2アウト二塁の場面で辻の打球が右中間へフラフラと上がり、
これをセンターとライトが譲り合うような形でその間に落ちて安打に。
二塁走者の都藤が還り幸運な2点目が入った。

その裏の京都すばるは四球と野選でノーアウト一、二塁としたが、
ここで京都外大西は辻からエースの本田拓人へスイッチ。
犠打の後四球で塁を埋めると、木村をニゴロ併殺で打ち取って難を逃れる。
本田は9回裏にも1アウト一、二塁と走者を背負いながら
最後は併殺で終えて逃げ切り、2年ぶり8回目の甲子園出場を勝ち取った。


3回表と6回裏の1点はともに失策が絡んだ得点。
そして京都外大西の8回表の決勝点は、
野手のほんの一瞬のスキが生んだ安打によるもの。
1点を争う投手戦とも言えるこの試合の中で勝敗を左右したのは、
そのわずかなスキだったかも知れません。
しかしそれはどんな試合でも起こり得るものであり、
その機会をどれだけ多くモノにすることができるかが分かれ目になります。
京都すばるは終盤の得点機に併殺が続いたのは不運でしたが、
そこは京都外大西に一日の長があった、と言うこともできましょう。


京都すばるの応援には『すばるマーチ』というオリジナル曲があり、
攻撃中はほぼその1曲だけで通すというスタイルでした。
しかも同じメロディーで選手ごとに微妙に歌詞を変えていたようで。
吹奏が小刻みに体を揺らしつつ演奏していたのがマーチングぽかったです。
グラウンド整備の間にはプリンセス・プリンセスの『ダイアモンド』を演奏。
ちょっとしたインターバルにこういう芸当ができるのは好感が持てました。
京都外大西は甲子園でもおなじみのスタイルですが、
9回攻撃前の『スパニッシュ・フィーバー』は少々意外ながら良かったと思います。
ウルトラC打線@橿原(追記済)。
◇第89回全国高等学校野球選手権 奈良大会 決勝戦◇

@橿原公苑野球場


智辯学園高校 13−2 奈良大学附属高校

智 辯 520 002 022=13 H16 E0
奈大附 000 200 000= 2  H8 E2


※智辯学園は5年ぶり14回目の出場

智辯:阪口、内之倉−土井   奈大附:?田、乾、北畑−島中

【HR】岸田(智辯・2回2ラン)、井上(奈大附・4回2ラン)


試合開始早々に智辯は奈良大附属先発・?田の立ち上がりを捕え、
2番稲森翔大を皮切りに5本の長短打を連ねたうえ、
失策も重なって一挙5点を先制する。
2回表には岸田浩紋がライト場外への2ランでさらにリードを広げ、
序盤から奈良大附属を圧倒。

智辯先発の阪口剛は、2回裏井上亮に初安打を許すも後続を併殺に打ち取るなど
落ち着いた投球を見せる。
4回裏、奈良大附属は野村嘉之の二塁打の後、井上が左越2ランで反撃するが
智辯優位の大勢は変わらない。
6回表には稲森のこの試合3安打目となる右中間適時三塁打に加え、
岸田の右前適時打で2点を追加し、?田をマウンドから引きずり下ろした。
替わった乾博彰からも8回表に三國龍大が2点適時三塁打を放ち、
ついに2ケタ得点に。

阪口は7回裏にノーアウト満塁の場面を迎えたが、併殺と三振で得点を許さず、
8回裏からは内之倉敦士がリリーフに立つ。
9回表に主将・佐藤龍司の適時打で13点目を奪いダメ押し、
その裏をきっちり3人で締めて5年ぶりの夏の甲子園行きの切符を手にした。


マウンド附近に歓喜の輪が出来る中、
センターの佐藤がその場でひとり膝に手をついてうなだれていました。
ナインに促されて最後の礼の列に加わったが、明らかに泣いている様子。
佐藤は表彰式で優勝旗を受け取ってからもずっと涙を流していたのですが、
病に倒れ一昨年に世を去った上村恭生・前監督への思いもきっとあったはず。
その後を継いだ小坂将商監督は、法政大学、松下電器で活躍の後
母校に帰りコーチをしていましたが、今度は監督として初の甲子園になります。

初回に5点を奪い、終盤にとどめを刺すように点を重ねるという展開は、
春季近畿大会の決勝戦(6月3日・vs県立和歌山商業)とほぼ同じ。
智辯は前日の準決勝が天理を相手の壮絶な打撃戦だったとのことで、
表彰式では帽子のマークになぞらえて“ウルトラC打線”と称されました。
甲子園でも同様にその打撃が発揮できるかも注目です。


智辯の応援はおそらく全校生徒によるものでしょう。
ライトスタンドまでほぼ埋まり、外野でもリーダーが指揮。
『アフリカン・シンフォニー』と『ジョック・ロック』は智辯和歌山と共通ですが、
あとは独自の選曲。
5回表には『君の瞳に恋してる』をテーマに使っていました。

奈良大附属は打順ごとにテーマ曲が用意されていて、
ヒットのファンファーレのあと『ダッシュ』を1フレーズ演奏してから
再び打順テーマに戻るというスタイル。
塁に走者が埋まれば『正強(奈良大附属の旧校名)音頭』。
曲の途中で切らずに次の曲へとつなぐ流れが非常にスムーズで、
甲子園にそのまま持って来ても遜色ない応援だったと思います。

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