チャンスの前髪@紀三井寺(追記済)。
◇第89回全国高等学校野球選手権 和歌山大会 2回戦◇

@県営紀三井寺球場

《第一試合》 箕島高校 2−1 神島高校

《第二試合》 和歌山工業高等専門学校 5−3 新宮高校

《第三試合》 和歌山工業高校 3−2 粉河高校

粉   河 000 000 020=2 H10 E2
和歌山工 000 002 001=3x H8 E2


粉河:川口、平山−禮田   和工:出村、垣内−植田

(写真は和工サヨナラ勝ちの瞬間)


月例の診察を終えた後、
新大阪をお昼過ぎに出発する特急“くろしお”に乗って、
高校野球和歌山大会を観に行くことにしました。
紀三井寺球場へは海南からバスで行きましたが、
途中で郵便局へ寄るなどして球場入りは第三試合の開始前でした。


和工の先発・出村成哉はスマートな右のオーバースロー。
上背もあり、角度を生かした球で1回表簡単に2アウトを取ったものの
そのあと続けて四球を与え、やや不安な立ち上がり。
2回表も失策と安打で走者を出したが、この回は粉河の早打ちに助けられる。

粉河先発の2年生・川口喜生も同じく長身の右投手。
思わずバットが出るような球を巧く使って打たせて取るタイプのようで、
和工の打者はほとんど早いカウントから打って出ていた。

5回表、粉河は2アウトから畠中俊弥が左前安打。
禮田大貴も安打で続いたかと思えば、生田翔吾もライト前へ安打を放つ。
畠中が本塁突入を試みたが、ライト時本敬佑からの返球が良くアウトに。

和工の6回裏の攻撃は、この回先頭の大江宏典が中前安打で出塁。
和工にとってノーアウトで走者が出たのはこれが初めて。
堀田和博の犠打と瀬戸優規の安打で一、三塁とすると、
3番の溝端一哉が二塁横を破る適時打で均衡を破る。
さらに時本が内野安打で好機をつなげば、
山田智博の左飛で瀬戸が還り2点目の本塁を踏む。
効果的な攻めでこの試合初めてと言って良い好機をしっかりモノにした。

7回表も2アウト満塁の場面を生かすことができず、
消化不良気味の攻撃が続く粉河だったが、
8回表に先頭の徳岡健吾が安打できっかけを作る。
恩地静己が死球で出塁、林真司の犠打で1アウトニ、三塁に。
ここで和工は1年生のアンダースロー・垣内秀斗へスイッチ。
粉河はその立ち上がりを攻めるかのように、
山下直樹、そして代打の中谷滉が連続適時打で同点に追いついた。
続く畠中は投ゴロ、垣内は三塁へ送ってまずアウトにしたが、
併殺を焦った三塁手が一塁へ悪送球で好機はまだ続く。
しかし禮田のあわや内野安打の当たりを遊撃手溝端が巧く処理し、
逆転までは許さず。

粉河は8回からエースナンバーを着ける平山郁洋が登板。
9回裏1アウト、和工は小西竜太郎の当たりが三塁強襲の二塁打となる。
植田一史を歩かせて一塁を埋めて併殺の態勢を取ったが、
垣内のバント処理を平山が誤り1アウト満塁に。
そして代打・恩地諒が二塁左を破る適時打を放って和工がサヨナラ勝ち。


この試合のスコアを眺めていて、
“チャンスの前髪”というフレーズを思い出しました。
“チャンス”という名前の神様だったか何だったか忘れましたが、
髪の毛が前にしか生えていません。
通り過ぎて行くその神様を捕まるには、前髪を掴まなければいけない。
気付いたときにはもう遅い、ということです。
粉河は都合7度にわたって得点圏に走者を置きましたが、
和工にとっては好機らしい好機は6回と9回の2度だけ。
その2度とも和工はしっかり“チャンスの前髪”を掴んだことになります。
選手個々の力だけではない何かが、この試合を左右したのではと。
しかもそれは運という言葉だけで片付けられるようなものでもないのだと。
そんな風に思えた、紀三井寺のサヨナラ劇でした。

で、チャンスという言葉が出たついでに。
和工の応援では走者が進むと『チャンス法政』が演奏されます。
テンポは少々スローですが、リーダー(野球部控え?)の動きが
本家の法政大学を彷彿とさせるもの。
曲の切れ目でリーダーが入れ替わるところもそれらしかったです。
それ以外は6曲をランダムに。オリジナル曲もありました。
粉河は選手別のテーマを用意。白と緑のポンポンが鮮やかでした。

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索