木鶏。

2005年10月17日 野球
「我、いまだ木鶏(もっけい)たり得ず」

出典は『荘氏』だが、
“双葉の前に双葉なく、双葉の後に双葉なし”と称された大横綱・双葉山が
1939年1月場所で安芸ノ海に敗れ、連勝記録が69でストップしたときに
この言葉を残している。
(親交のあった陽明学者・安岡正篤への打電だったという)

“木鶏”とは、文字通り木で作った鶏。
闘鶏の訓練を重ねに重ねた末、何事にも動じることなく平常心を保ち、
戦わずして勝つだけの徳を持つようになった鶏を指す。
双葉山は連勝を続けていた前日までの(平常心の)相撲が取れなかったのを、
“木鶏”の話になぞらえたわけである。
昔のお相撲さんって“学”があったんやなぁ、ということは置いといて。

1年を通じて全ての試合で勝つのは不可能としても、
どんな条件のもとであっても平常心を持って戦い、
大事な試合を落とすことなく勝てるのが、
本当に強いチームなのであって。

しばらく試合から遠ざかっていてカンがなかなか取り戻せないにしても、
マウンドに立っている相手投手が苦手なタイプであっても、
リーグ戦での対戦成績がイーブンであっても、
本当に強いチームなら勝てるはず。
しかも戦っている場所はホームグラウンド。
負けたことへの言い訳にはならない。

テールエンドをウロウロしていた頃のホークスではなく、
今やリーグ戦では89勝もしているチームである。
長いシーズンでは連勝もあれば連敗もあるのは当たり前。
ただ、最後の最後、大事な一戦に勝てなかった。

現在のパシフィック・リーグのプレーオフの是非をどうこう言うつもりはない。
(ただ、3位でも勝率が5割に満たないチームが出られるのはオカシイと思うが)
現在の制度である以上、最後に勝てば良いだけのこと。
今のホークスはそれが出来なかった、ということ。
“木鶏”どころの話ではない(そもそも鶏ではなく鷹なのだが)。
2年続けて味わった屈辱を忘れず、来年こそは。

しかし。
ホークスファンとしては当然悔しいのだが、
マリーンズならばまぁ許せるか、という気持ちも正直ある。
これが昨年同様ライオンズ相手だったら私は怒り狂っていたに違いない(笑)
それに、最後の最後までどうなるかわからないような僅差のゲームを、
5試合も続けて(しかも全部逆転勝ち)演じてくれたのだから、
面白くなかったはずがない。
それどころか存分に楽しめた。
(ほとんどの地上波のキー局にとってはどーでも良い試合なのだろうけど)

千葉ロッテマリーンズ、31年ぶりのリーグ優勝おめでとうございます。
パシフィック・リーグの覇者として、必ずや日本一になってください。
世界平和のためにも(謎)

でも、やっぱり悔しいなぁ。

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