◇第32回社会人野球日本選手権 第8日・準決勝◇

《第一試合》 松下電器 4−3 鷺宮製作所

松下電器
001 010 200=4 H16 E1
001 000 002=3 H10 E0
鷺  宮 

松下:田中篤、田中稔、山本隆司−新田   鷺宮:佐藤、川合、小高、岡崎−秋山

ドームに入ってまず驚いたのが、今日の鷺宮の応援が生演奏であること。
(私が観た1回戦はテープ応援だった)
決勝戦に進んでも楽団を用意して来ないチームもあるこのご時世で、
賞賛に値すると言ってはオーバーだろうか。

3回表、2アウトから奥野桂、田原隆三郎、梶原康司の三連打で松下が先制すると、
鷺宮もその裏に下田仁の二塁打で追いつく。

鷺宮は先発の佐藤崇明を3イニングで降板させ、
4回先頭から川合真司が登板。
その川合も5回表、梶原の適時打で1点を失う。
1点リードした松下は、その裏からベテラン左腕の田中稔士を投入。
安打を打たれても最後は三振で締める絶妙な投球を披露していた。

松下は6回まで11本の安打を記録しながら、それはすべて単打だった。
7回表、田原が12本目の単打で出ると、
梶原がセンターへ大きな当たりを放ち、これが初めての長打となる三塁打。
梶原はここまで3打点、4番打者の役目をしっかり果たしている。

この直後から鷺宮は4番手として岡崎淳二を投入するも、
中川英俊の内野安打で1点を追加された。
今日はどちらかと言えば直球を駆使していたように思えたが、
時折見せる緩い球に私を含めた数名が盛り上がる(笑)

9回裏、鷺宮の攻撃。
松下は8回から山本隆司をマウンドに送っている。
その山本が1アウトから関大輔と長野太一郎(代打)に連続二塁打、1点を失う。
続く代打の西小野亮にも安打を打たれ、一発が出れば逆転サヨナラの場面に。
鷺宮の代打攻勢はまだ続き、古賀達也が中犠飛で1点差に迫った。
今日2安打の1番・福田晃に望みを託したが、
山本の気迫の投球の前に投ゴロに倒れ力尽きた。

《第二試合》 NTT西日本 2−0 ホンダ

ホンダ
000 000 000=0 H2 E0
100 000 01X=2 H7 E0
NTT西

ホンダ:大田、ランドル、筑川、坂本−佐伯   N西:笠木−大原

N西の先発は笠木伸二。
数えるのが面倒なほど観ている投手ではあるが、
相変わらず独特の世界を持った投球を見せてくれる。
球がどこへ行くのかわからないようなフォームで、
制球力抜群とは言えないまでもいつの間にか打者を打ち取って行く。
或る友人はこれを“笠木ワールド”と称している。

今日はその“笠木ワールド”の大オンパレード(笑)
初回1アウトから粘られて四球を出した後での連続三振。
次々と積み重ねられるフライアウト。
走者を出してもまともにバントをさせてくれないクセ球。
気がつけば8イニングで打たれた安打は開田成幸の内野安打1本のみ。
そして、回を追うごとにボリュームが大きくなる“叫び”。
三塁側から流される『全開ホンダ』の盛り上がりもモノともせず、
叫ぶ叫ぶ。吼える吼える。
1球1球ごとにその叫びがネット裏やや前方に居る我々にも聞こえて来る。
それに釣られてスコアを付けながら思わず叫びそうになるほど。

N西は1回裏、走者を2人置いて西田朋生の幸運な内野安打で先制したが、
そのあとなかなか追加点が取れないままイニングが進んで行く。
8回裏にようやく宮崎昌樹の犠飛で1点。
観ているほうとしてはスッキリした点の入りかたではなかっただけに、
今日のN西の勝因は笠木の投球に尽きると思う。

さぁ、日本選手権史上初の“大阪決戦”が待っている。
大阪ドームでこの対戦だと、
都市対抗阪和二次予選の代表決定戦みたいに思えてしまうのだが(笑)
お互いを知り尽くした者同士、熱戦になるのは間違いない。
今年も延長・優勝戦@大阪D。
←日本選手権・表彰後のダイヤモンド一周

今シーズンの野球観戦もこれが最後かと思うと、

何だかセツナイです。

◇第32回社会人野球日本選手権 第9日・優勝戦◇

松下電器 2x−1 NTT西日本

NTT西
000 000 010 00=1 H6 E1
000 000 100 01=2x H12 E0
松下電器

N西:岸田、徳留、大西、齊藤−大原   松下:山本隆之、田中稔、山本隆司−新田

泣いても笑っても今日が最後の優勝戦。
選手権史上初の大阪対決、とは言われているが、
大阪ドームでこの対戦だとどうしても(以下略)

応援席の入りから言えば、N西のほうが多いように見える。
松下は固まっているところとそうでないところの差があるのに対して、
N西はまんべんなく散らばっている。
だからどうだ、と言うつもりはないが。

松下・山本隆之、N西・岸田護の両先発とも無難な立ち上がり。
2回はともに先頭打者が安打で出塁しながら得点ならず。
山本隆之は早い段階から飛ばしてきていたのか、
5回までに7個の三振を奪っている。
一方、岸田も走者は毎回のように出しても、締めるところは締めていた。
5回裏2アウト二塁、甲斐俊治の遊ゴロをさばこうとした一色和也が
二塁走者の箕野豪と交錯し守備妨害でアウトとなったところは、
運も味方につけていたか。

7回表、久々に走者を二塁に置いたN西の攻撃も得点なし。
その裏の松下は、5番吉田憲一郎が今日3本目の安打で出塁。
犠打で二塁へ進むと、平山嗣人が岸田の7球めをセンターへ弾き返した。
三塁コーチの井上大が腕を回し、吉田が本塁へ突っ込んでくる。
センター廣瀬亮の送球が本塁を守る大原周作のもとへ届く寸前で、
吉田が大原と激突し、ついに均衡が破られた。
岸田は続く新田玄気にも安打を打たれ、徳留慶にマウンドを譲る。
まだ1アウト、しかも走者を二人置くピンチの中で、
徳留は連続三振を奪って苦境を切り抜けた。

先制されたN西がすかさず反撃を見せる。
8回表、安打で出た一色が廣瀬の犠打で二塁へ進むと、
松下はここで田中稔士にスイッチ。
脇谷亮太の投手強襲(記録は遊ゴロ)の間に一色は三塁へ。
宮崎昌樹の打席で、田中の投げた4球めが新田の前でバウンド。
これを逸らす間に一色が還り1−1の同点。
宮崎は結局四球、次の代打井阪真之が二塁塁審に当たる幸運な内野安打と
流れはN西に傾きつつあった。
しかし、松下はこの場面で山本隆司を投入。
黒塚を三塁ゴロに打ち取って追加点を許さず。

その裏、松下は1アウト満塁の好機を併殺でつぶし、
ともにあと一歩の決め手に欠けたまま9回を終了。
日本選手権の優勝戦はこれで3年連続の延長戦へ突入。

11回裏の松下の攻撃。
今日大当たりの吉田がまたもや安打で出塁、これで5の5。
中川英俊が送ろうとしたが三振に倒れ、
次の平山が犠打を成功させて2アウト二塁。
打席には8番の新田が入る。
N西の投手は8回途中から投げている齊藤信介。
高松一高の齊藤、高松商業の新田という同郷対決となったが、
新田が齊藤の初球をセンターへ持って行く。
球は前の回からセンターに入っていた清水信任の頭を越え、
吉田がサヨナラの本塁へ還ってきた。

松下電器の日本選手権優勝は5年ぶり2回目。
第29回(2002年)の日本生命以来、都市対抗の予選で敗れ去ったチームが
これで4年連続優勝したことになる。

【表彰選手】

《最高殊勲選手賞》 山本隆之(松下電器)

《敢闘賞》 岸田 護(NTT西日本)

《打撃賞》 吉田憲一郎(松下電器)

《首位打者賞》 重石勝司(九州三菱自動車)=9打数6安打、6割6分7厘

試合前のノックが始まるその前、N西を応援している友人に
「今日は後攻めやったら勝てるよ」
と言っていたが・・・確かに後攻のチームが勝ったわけで。
手の内を知り尽くした者同士の一戦は、予想どおりの大熱戦。
ワンサイドゲームにならなくて良かったと思うその一方で、
サヨナラゲームという非情な結末につい突っ伏してしまった。
3時間半を越える試合時間、いやそれ以上持っていた緊張感が
解けたせいでもあるかも知れないが。
平常心を取り戻すのには少々時間を要した、と思う。

この大会期間中、私は7日間ドームに行ったことになりますが、
様々な方と大阪ドームで会うことができました。
地元の球場でしょっちゅう会う方。
この大会に合わせて毎年遠方から来てくれる方。
私がドームに居ない間にこっそり来て帰った知人も居るが(笑)
しばらくぶりで再会した方。
この日記を通じて初めて顔合わせした方。
試合の後で飲みに行ったりもしたし。
新たな発見も数々あり、本当に充実した楽しい選手権でした。
皆さん、ありがとうございました。

最後に、松下電器チーム並びにファンの皆さん(特にAさん(笑))、
おめでとうございました。

選手権応援諸々。

2005年11月28日 野球
第32回社会人野球日本選手権大会での、
(私が実際に観た)印象に残った応援について。

*三菱重工神戸
チアは三菱自動車京都からの参加。
レパートリーは毎年変化しているようでも、
基本的な流れは変わっていないのが良い。

*鷺宮製作所
1回戦はテープ、準決勝は生演奏。
以前よりもレパートリーが減ってしまったのか、
私が鷺宮の応援で最もお気に入りの曲が出て来なかった。
とは言え、大阪Dで鷺宮の生演奏が聴けたのはとても貴重。

*JR四国
テープ応援だが男子リーダーは多いほうでは。
『バビル2世』の印象が強い。

*東海REX
『ヒットコール』は新日鐵広畑と同じ曲だが、構成が少々異なる。
後半よく流れていた『タイガーマスク』では、
最後の「○○たおせ〜」の部分が微妙に上がっていく。
これは新日鐵名古屋の頃から変わっていないと思う。

*日本生命
“ニッセイコール”でみんなが飛び上がるものだから、
最前列に座っているとそれがモロに響いてくる。
『狙い打ち』を投手交替時以外でも使うようになったのはいつからだろう?

*シダックス
昨年に比べたらやや響きがモノ足りなかったような。
人数はそう変わっていないとは思うのだが。

*ニチダイ
今年も同志社風。
日本新薬とのアベック出場になった時の応援体制が気になるところ。

*九州三菱自動車
パッと見ただけではわからなかったが、
演奏の或る曲のフレーズを耳にして三菱自動車岡崎が来ていることを確信。
チアは岡崎と京都。
ホンダ鈴鹿との対戦はまるで岡崎球場での都市対抗予選さながら?

*東芝
選手権ではしばらく途絶えていたらしい生演奏の応援が復活。
曲目は都市対抗よりも少なめだった。

*JR東日本東北
リーダーの『コンバットマーチ』の振り付けがごくノーマルなものであることで、
JR東日本(東京)のそれが非常にユニークだったことを思い出した。
ところで、チアはどうした?

*NTT西日本
どうしてもN西の応援には一番注目してしまう。
応援スタッフが本当に熱心なのが伝わってくる。
何度か日記でも触れていた『Go Fight Win〜スパート』だが、
「かーっとばせーかーっとばせー」の部分でスイングする振り付けが面白い。
左打者のときは左打ちの振り付けに変わったら凄いやろなぁ(笑)
今のところは『コンバット1』へのつなぎ的な存在なのが惜しいぐらい。

*王子製紙
楽団の前にマイクを置いていたらしく、かなりボリュームのある応援。
ここの応援は結構ハマってしまいそうになる。
お客さんのノリもかなりのもの。

*ホンダ鈴鹿
曲のレパートリーそのものは少ないほうではあるが、
『全開ホンダ』〜『ノンストップ』〜『スーパースター』の流れはもう病みつき。
上と下の通路でそれぞれ右往左往するお客さんが増えて行くのがよくわかる。

*松下電器
2回戦では60人ぐらいの楽団が来ていた。
松下の選手権での応援演奏は関西大学が定番で今年もそのはずだが、
曲目は慶應のメドレー。
『シリウス』〜『アニマル』〜『突撃』〜『ダッシュ』を関大バンドがやればこうなる、
ということが解ったのは新鮮だったが、
チアが東京からの遠征組であるにしろ、なぜこのパターンのみにこだわったのか?
『得点河内』の振り付けも単純なものになってしまったのは残念。

*七十七銀行
楽団の年齢層が高そうなのが社会人の応援っぽくてどことなく良い。
『孔明』のドラは七十七の自前なのか?気になる。

*トヨタ自動車
攻撃終了時の短い曲(京大では『グランドマーチ』)と『ヤットデタマン』、
そして『オジャパメン』を聴くと「あぁ、トヨタだねぇ」といつもながら実感。
カローラランクスのCM曲も使っていたが、応援としてはちと難しいような。

*ホンダ
『全開ホンダ』は鈴鹿と同じだが、テンポと歌詞が微妙に違う。
狭山の応援では『ライトニング』のほうが個人的には好み。
準決勝では魔法にかかったように急速に増殖する(笑)『全開ホンダ』が観られた。

大阪ガスを観られなかったのはとにかく残念。
今大会については、こんなところで。

顔見世。

2005年11月30日
夕刊や夕方のTVのニュースで、
今日から始まった南座の“顔見世”の様子が紹介されていた。
今年の“顔見世”は中村鴈治郎改め坂田藤十郎の襲名披露興行。
最も安い4等席で5250円する・・・すげぇ。

坂田藤十郎(屋号は山城屋)。
その名跡は231年ぶりの復活ということになる。

今年襲名披露を行った中村勘三郎にしても、昨年の市川海老蔵にしても、
“先代”の役者(海老蔵の場合は現在の團十郎だが)を知る人が少なからず居て
比較の対象になったりするのだが、
坂田藤十郎の場合は先代が既に歴史上の人物なので比べようが無い。
先代と比較されることはないとしても、
現代の“坂田藤十郎”として新たにその“格”を一から築き上げることになる。
並大抵のプレッシャーじゃないよなぁ。

ちなみに三代目・鴈治郎襲名のときは扇雀改め、だった。
私の母などは今でも扇雀としてのイメージが強いらしいが。

15年前の鴈治郎の襲名披露(大阪松竹座)は観に行ったけど、
今度は難しそう。
一応チャレンジはしてみるが、ただでさえ“顔見世”のチケットは取りにくいし。
そもそも、南座でお芝居を観たのは何年前だったのか思い出せないぐらい(苦笑)

松竹座の中にある紀伊國屋書店に番付が売っていればそれだけでも。
もしくは“まねき”の写真だけでも撮りに行っておこうかな。

とは言いつつも。
来年1月の大阪松竹座『壽 初春大歌舞伎』も気になる。
片岡仁左衛門の勘平に坂東玉三郎のお軽(『仮名手本忠臣蔵』道行、五、六段目)。
玉三郎はまだ生で一度も観ていないことだし。

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最近追加された“コメント機能”について、ですが。
私としては現在のところ仕様に加える予定はありません。
制作担当側にはまだまだ改善の余地がありそうですし、
仮に「誰でも書き込み可能」にしたところで、
厄介な書き込みを抱えた際の適切な対応が
そういつもいつもできるとは限らないからです。
お気に入りリンクの方とは“秘密日記”で充分事足りるだろう、と
考えていますもので。
ご了承ください。

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